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僕のお守り

【2017.07】そうだ、家出しよう。

高校の卒業式の日、明日からもう着ることのない制服姿で、卒業証書の筒を持ち、夕方の道を家へ向かっていました。

卒業式は基本的に親も参列することになっており、僕の場合は訳あって父が参列。

当然、この組み合わせなのでまず真っ直ぐ帰るワケもなく、一杯ひっかけていこうぜ、という展開になるのはもっともなことです。

学校近くの明るいうちからやっている焼き鳥屋で、卒業証書入りの筒などその辺に放り投げ、焼酎などをしたたかに飲んだわけです。

制服着たままね。

卒業おめでとう、おまえの未来に乾杯!などという常識的なコトバもなく、いつも通りの父のグダグダな自慢話を聞きながら卒業式の後といったセンチメンタルな気分など何にもないまま日常的な感覚で呑んでいました。

呑んでいると時間の経過も早いワケで。

気が付くと飲み始めてから数時間が経っていました。

そうこうしているうちにドヤドヤと何人かのグループ客が入ってきました。

その人たちは僕の顔を見るなり、ゲ!キタゾノだ!といったヘンな表情をしています。

そのグループ客は、在学中の3年間、僕と敵対関係にあった教師グループ。

今日、ようやく生徒たちを無事に卒業に導き、お疲れ様でした、我々も軽く打ち上げでも、とホッとした気分と充実感で縄のれんをくぐったのに、目の前に制服姿のまま飲んだくれている、さっきまで生徒だった面倒くさいキタゾノがと、ビミョーに苦々しい顔をしています。

せっかくの打ち上げなのに、さっきまで生徒だった僕と、しかもその保護者が二人でへべれけになっている図が目の前に。

父は、所々、変わった部分のあるヒトでしたが、飲み屋でのそういったヘンな空気を機敏に読めるヒトでした。

僕が、あいつら先生、と父に耳打ちすると、いやあ先生方、まずはお座りになって、と、あれよあれよと座敷に座らせ、先生方に私から生ビールを差し上げてー、と有無を言わせず間髪入れずに注文しちゃう始末。

別にもう先ほど卒業したので、停学になるとかそんなことはないんだけどね。

教師達も困った顔をしながら、しぶしぶ、あ、あの、じゃ、い、いただきます、となんだかしどろもどろです。

いまでもよく憶えているのですが、そんながやがやしている中で、僕は、まったく違うことを考えていました。

そうだ、家出しよう。

今日で学校からも解放されたし、次は親から解放されよう。

その店を出て、父を先に歩かせ、家に向かう途中にある不動産屋さんの店頭に張り付いて、アルバイトすれば何とか借りられそうなアパート物件を酔った頭に叩き込みました。

数日後、水面下で家出の計画を緻密に組み立てた僕は(今思えばとってもズサンな計画)唐突に両親に伝えました。

俺、ひとり暮らしすることにしたから。

引っ越し関係に関しては頼りになる先輩もいたし、家賃と生活費、その他もろもろでいくら位稼げればいいのか。どんぶり勘定ながら、どうにかなる、と踏んだんですね。

ただどうしても自由になりたかった。

そのためだったら、どんなに苦労してもいいや。

いろいろ揉めましたがそんなこんなで、卒業式の数週間後には西日しか当たらない6畳一間当然風呂ナシ湯沸かし器ナシでのひとり暮らしスタート。

楽しかったです、独り暮らし、とても貧乏になったけど。

今考えると、その時の苦労とか貧乏暮らしなんて、本当は贅沢なことだったんだな、と思います。

本物の苦労なんかじゃない。

何不自由ない家庭にいたのに勝手に自由を欲しがった結果だからね。

また、季節感のかけらもないハナシになりました、初夏の休日、何となく思い出したものですから。

Photo:藤間 久子『Slowly』

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